「国際宇宙ステーションの実物大をつくりました!」


 「おもしろそうだけど、本当にできるかなぁ〜?」

 中川卓朗(たくお)リーダーから「国際宇宙ステーションの実物大を作りたい」という提案(ていあん)を受けたとき、私の心にそんな言葉が浮(う)かびました。安い材料で何とか大きさを表現できないかと、ブルーシートで太陽パネルの試算(しさん)してみると、それだけで10万円を超えました。この部分はヒモで外わくだけ作るようにすれば、6万円くらいでできるかもしれないということで、何とか2011年度の活動予定に組み込みました。

 今考えると、予算から考えた自分の小ささが身にしみますが、これはまさに世界で1つのビッグプロジェクトだったなぁと(いや、まだまだ現在進行形ですが)、脳裏によみがえります。

すべての材料を前に、開始前のまだ元気?な様子


 そんな壮大(そうだい)なプロジェクト「国際宇宙ステーションの実物大をつくろう」を、10月10日(月・祝)に用瀬町運動公園・多目的グランドでおこないました。「サッカーコートにちょうど入るくらいの大きさ」と例えられ、わかったような気になっている宇宙ステーションの大きさですが、実際(じっさい)の大きさを作ってみて、それがいかに大きいかを実感しようということと、みんなで組み立てることでチームワークの大切さを実感するということを目的におこないました。

 今回は実物大の大きさを表現するだけでなく、できた順番通りに組み立ててみました。国際宇宙ステーションの組み立ては、13年前の1998年に始まっています。ということは、参加した団員たちが生まれた前後のころにあたります。そのため、各モジュールが打ち上げられた時、自分は何歳だったか、家族にどんなできごとがあったかなども記録してもらいました。

 まずは基本モジュール「ザーリャ」からはじまり、結合(けつごう)部の「ユニティ」、居住(きょじゅう)モジュール「ズヴェズダ」と作業は順調に進んでいきました。しかし、ズヴェズダの太陽パネルに見立てた紙のシートが風にあおられ、なかなかうまく固定できません。ひとまず、そのまま「デスティニー」「クエスト」と進みました(デステニィーに一時つけられていた太陽パネルP6は、今回省略(しょうりゃく)しました)。そこでお昼ごはんとなり、しばしの休憩(きゅうけい)。


平面のブルーシートでも大きい!
しっかりと広げて、くいでとめます
太陽パネルは紙シートなので
けっこう重たい!
最初のあたりだけでも
それらしいですねぇ〜


 午後になり、順調かと思われた作業も、巨大な太陽パネルで大きくつまづきました。原因はやはり風です。太陽パネルに見立てた紙シートがめくれあがってしまうのです。そのため紙をやめ、網(あみ)に変更することにしました。材料が少ないので、太陽パネルの枠(わく)しか表現できなくなりましたが、作り始めておよそ5時間後の15時20分ごろ、ついに完成しました。

スペースシャトルがドッキングする
場所から、いよいよ国際
宇宙ステーションの中へ!

 取材に来られた朝日新聞の記者の方に記念撮影をしてもらった後、居住空間をみんなで歩きました。この時はすでに宇宙的な感覚になっていて「”きぼう”(日本の実験棟(とう))は意外に小さいなぁ」とか、「小さく見えたズヴェズダは意外とくつろげるなぁ」などと感想を言いながら、しばらく宇宙ステーション内を散策(さんさく)しました。その後、小高い丘に上り、宇宙ステーションを眺(なが)めました。確かに国際宇宙ステーションです。なんだか感慨(かんがい)深いひとときでした。

 しかし、こんな巨大なものをよく宇宙に作りましたね。改めてビックリです!!

近くの丘から見た「国際宇宙ステーション」。小さく写っている人の大きさと比べると、いかに大きいかわかりますね。


 太陽パネルの作成に手間取り、だんだんと時間がなくなってきた時には「もう完成はあきらめて、とりあえず、適当な形にしよう」とも思いましたが、こつこつと作業を続ける中川リーダーに引きずられるように、1時間くらいの集中力で完成しました(途中から実際に作った順番とは違ってしまいましたが)。やはり本番に強い団員たちだなぁ〜と改めて感じました。

 その後、片づけをおこない、今まで目の前にあった巨大なステーションは影も形もなくなると、なんだか今日のことが夢だったような気分になりました。最後にお菓子やジュースで休憩し、解散(かいさん)しました。終了予定を1時間半も過ぎた長い活動となりましたが、とても印象に残ったのではないでしょうか。

 中川リーダーは準備のために、毎日のように朝から深夜まで作業を続けられました。今回の活動が無事におこなえたのも、中川リーダーのおかげです。また、お手伝いをしていただいた安陪家のみなさま、高橋家のみなさま、宮本果陽子(かよこ)さん、森リーダー、鈴木さんや岡田さん、岸田さんなどのアストロ職員にも感謝(かんしゃ)です。

 「実物大シリーズ第2弾(だん)」をやりたいですね。最初に一番大きなものを作ったので、もう怖(こわ)いものなしでしょう。

完成後、ズヴェズダでくつろぐ参加者たち


国際宇宙ステーションづくりの最初から最後までの映像(早送りバージョン 24.2MB 2分24秒)もご覧ください
(あまり高い位置からの撮影でないため、わかりにくい映像となっています。ご了承ください。)


戻る

inserted by FC2 system